以下、ネタバレありです。
・秀二が溝口の墓をなで回すシーン
ちょおおぉおおエロい。後ろで雨月物語の朗々とした声が響く中、手のアップのみ。サヨナライツカより数倍エロい。すごい演出だ。ナデリ監督実は恋愛もの手がけても上手かも?!いや、映画で傷口を癒すシーンがあるけど、それより個人的にはエロかった。
ナデリ監督は常盤ちゃんの手先のアップとかも映していたけど、そういうパーツから全体を引き出すのが得意なのかな?
・これも秀二が小津墓に急ぐ杉林の中を颯爽と歩いて行く姿
街中で拡声器を使ってアジてるシーンは、ガードレールとか、通行人とか、障害物が沢山あって、全身を見渡せないけれど、ここのシーンは、頭の先からつま先まで画面を横切って行く間、ずっと秀二の全てを見ることができるシーン。足早に道を渡り、バックの林と同じように凛とした姿勢のまま、横切って行く様は、まるで林の若木が移動して行くようだった、彼の愛する映画を撮った監督の下に1行でも早くたどり着きたいと思う気持ちか。
なんかね、もう「芸術としての映画」が恋人な訳だ。恋人を犯すような娯楽映画とか、シネコンとか、それを作り出すために今目の前に金が要ることとか、自分のそういう環境全てに憤っている様がよく表れているよ、殴る側をあんなに挑発するなんて、ちょっと想定してなかったもんね。ひたすらこらえてこらえてこらえて殴られるばかりかと思っていたから。まぁ、だから積極的な受動態なんだけどさ。
常盤ちゃんが聖母マリアだって解釈が多いけど、別に常盤ちゃんに癒されている訳じゃないと感じたね。彼女は単なる雨宿りの軒先って思えたな。むしろ積極的に彼を売る側にシフトチェンジした高野さんの方が彼の(大好きな芸術映画という)恋人との橋渡し役だったような気がする。だからこそ彼もシフトをチェンジできたのだと思うよ。
格好良さは菅田さんが一番。
背の高い西島と二人で並んできれいに見える構図と光の当たり具合は最高だった。いー役もらえて良かったね、菅田さん!
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